街角の猫

とてもゆっくりです。

森博嗣 喜嶋先生の静かな世界

 

 

  読書の秋ということで、最近は部屋でゆっくりしながら本を読んでいることがおおいです。寒いですからね。

 

今回は、私の好きな作家の森博嗣さんについて。

 

  森博嗣さんといえば、数年前に綾野剛さん主演でドラマ化された『すべてがFになる

で有名な作家で、まるで論文を読んでいるかのような精巧さがありながら、一人一人の視点あるいは心情も事細かに描かれているのが大きな特徴です。

 

  大学准教授とその教え子を主人公にしたミステリーや、人間の生殖機能が失われ人工人間が人類の多数を占める世界を舞台にしたSF作品など、創作の幅が広いなと感じます。

 

今回は、私が特に思い入れの強い作品『喜嶋先生の静かな世界』についてお話します。

 

  簡単なあらすじを述べますと、子供の頃勉強が苦手だった少年が一冊の本をきっかけに物理の世界に引き込まれ、大学に入り学問の深みへと潜っていく中で、学問に対して、あるいは自分に対して、問うていく。といった内容でして、この作品は、作者自身の自伝的小説という感じでしょうか。

  先ほども申し上げましたように作品の幅が広い方ですが、自伝的、つまり一人称で進む作品は珍しくて、一人称である分森博嗣さんの思考が如実に書かれていまして、まさに静かな世界に引き込まれます。

 

  作品を見返すたびに思うのが、理屈を考えることってのはとても大切だなと。理屈を考えるために必要なのは、なんでこうなるの?という純真無垢な心を持ち続けること。

理屈を考えてえた深みや、思考という経験そのものは、さまざまな場面で応用できるかと、思います。

 純真無垢っていい言葉ですよね、いつまでも子供心を持ち続けていたい。